弟の結婚

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その唇に触れたくて、指を伸ばす 「指を食えってのか」 違います 慌てて引っ込めようとしたけど、貴文さんの動きのほうが速い。ぱくっ、唇で挟まれた人差し指をザラリ、舐められて 「んあっ」 恥ずかしい。甲高い、淫らな喘ぎが漏らす口を ぺた 左の手で塞ぐ。目を細めた貴文さんが、俺の指から唇を離す。温もりの残る濡れた指を、手に重ねた 「瞭」 甘い声。大好きな声で名を呼ばれて頬が熱い 「・・・・・・はい」 口を塞いでるから声がくぐもってしまってる。嫌だな、何か 「声を聞きたい。可憐で涼やかな美しい声を聞かせてくれ」 甘い、脳が沸騰しそうなくらい甘い声と、よだれが垂れそうな甘い笑みに手が緩みかけたけど。顔が火照りすぎて鼻血が危険、鼻と口を塞ぎ直す。とにかく、高ぶる気持ちをいったん落ち着かせないと。横を向き え? 脇につく、腕の筋の浮き上がり方が普通じゃない 硬く張り詰めた筋肉はまるで、力と力の勝負をしているかのよう。ううん、貴文さんは俺に負担をかけまいと甘く笑って、身の内で欲望を押さえてたんだ。ゆっくり、時間をかけて愛撫してたのもきっと、最後までしないため、俺が疲れて眠るのを待ってるのだとしたら・・・・・・
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