弟の結婚 ニ

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激しい口づけについていけてないけど、ついていきたくて引き締まった背中に縋りついた。口端から垂れゆくよだれに、構う余裕はなかったから 「綺麗だ・・・・・・」 恥ずかしい べっとりと湿った首筋から頬を指で拭われたことが。荒い息を吐きながら、濡れた頬に手をあてて 「目元を薄紅に染めた瞭の、伏せた睫毛を震わす様が愛らしい。白く形のいい耳朶を朱色に変え恥じらう瞭の可憐さに目が眩んじまう」 目を隠し、耳を塞いだ 貴文さんの言葉に翻弄されてどうする。思うのだけど、熱の籠もった低い声には支配力があって、言われた場所に手がいってしまうし、口にされた内容が内容なだけに恥ずかしくて、隠したい気持ちもある ペロッ、右の手の甲を舐められた。耳を押さえていた手の力が緩んで、その隙間から 「瞭、触れていいか?」 優しい声音を意識して作った囁きにトクン、心臓が跳ねた つい先日、復帰したばかりの仕事のことが頭を掠める。はっきり言って仕事の面では、まったくアテにされてない。あからさまに、貴文さんを会社に繋ぎ留める守り袋として崇め奉られてるだけで、スッゴく傷つく。だけど、役に立たない俺にも心配なことがーつ。長年の恋人と別れ、笑えなくなった職場の友人が浮かんで 浮かんだところで 「ーーーーーっ」 ぐっと膝で股間を押されて息が詰まった
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