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痛みはない。ただ、こんなことされたことなかったから、驚いた俺の舌は凍りついたように動かない
「何を考えていた」
え?
意味が分からなくて、見上げた貴文さんの目は怒気で燃えているよう。瞳が潤む、低く響いた舌打ちにビクッ、身を震わせた俺を見下ろす彼の眉間に幾重ものシワが寄って、怖い
「瞭、いま、誰を思い浮かべた」
誰・・・・・・って
言ったら、悲しみを滲ませた桜田の瞳に絶望が追加されそうな気がする。かといって貴文さんは、下手な言い訳が通用する人じゃないし、黙秘を許す人でもないから
「し、仕事のことを」
本当のことを
「受け入れたくて、でも、復帰したばかりだし、チャンスだから、役にたってませんけど、欲しくって」
告げたかったのに、支離滅裂だ
「怒って悪かった瞭、落ち着け」
バサッ、勢い良く捲られた着物の裾に目を奪われた
え、ええ?
急展開すぎて理解が追いつかない俺の、黒い芝に熱い息をかけ
「あっ、ん」
縮こまる俺のソコの付け根をぬるり、濡らし動く舌の持ち主は
「元気を出してくれ。お前が萎れると俺は辛い、心が闇に覆われそうだ」
仰け反った俺の袋の玉を
「はああ、んんっ、やっ」
しゃぶりだす
確かに縮こまったのも、萎れたのも貴文さんのせいだけど。愛してる、甘く囁いてくれればホッとして元気になるのに・・・・・・
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