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横を並んで歩きなが彼女は、
僕の横顔を見つめ呟いた。
「家反対だよね。
本当に家まで送ってくれるの?」
「気にしなくていいよ。
君を守るって言う契約だからね」
「そうじゃなくて・・・ 」
その時再び彼女の携帯が着信を拾った。
彼女は携帯を覗き見て慌てる。
「やっぱりここで別れた方がいいわ。
あなたが家まで送ってくれて、
私と別れて帰る途中で暴漢に襲われるって」
「未来レポート!?」
「うんレポート」
「でもそれじゃあ君が危険じゃ・・・ 」
「大丈夫。
未来レポートには、
私は何事も無く家に到着するとあるし」
「でもそれは僕が一緒に帰った未来で、
一緒に帰らなければ、むしろ襲われる可能性は
高いんじゃないかな・・・ 」
「大丈夫、
人通りの多いところで親に迎えに来て貰うから」
僕はそれでしぶしぶ納得して、
彼女を人通りの多い交差点まで送ってから別れた。
僕は一人、家路を歩きながら考えた。
僕が彼女の相談を受け一緒に帰るようになった途端に暴漢に襲われるなんて偶然とは思えない。
あきらかに何者かの意図が加わっている。
彼女は僕が思っている以上に危険なんじゃ
ないだろうか。
彼女が死ぬと言う予言も曖昧で、
その状況が解らない。
彼女はあした学校の屋上で、
透明人間に刺されて死ぬとあるが。
偶発的な通り魔や事故なら、
そこに近づかなければ済む話しだが、
それが彼女の命が狙われてるとなれば、
その未来を回避しただけでは彼女の安全は、
確保できない。
彼女の未来を守るには何か、
根本的な何かが欠落していた。
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