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屋上から射し込む光。
自殺防止のため最近では、どこの学校でも屋上は
閉鎖され、開いている事はまずない。
そんな場所から漏れる光。
僕がそれに誘われ屋上に足を運んだのは、
必然だった。
階段を上りきった先に立ち入り禁止の看板が
吊るされた扉が半場開いていた。
僅かに開いた屋上の扉から流れ込む新鮮な外気に
混じり話し声がもれていた。
誰かいるのか?
僕は扉の前で立ち止まり外を覗き込んだ。
屋上には数人のガラの悪そうな男達と一緒に、
クラスメイトの霧島凛火がいた。
凛火は男達に羽交い締めにされ、
屋上のコンクリに押さえつけられ、
上半身の制服を脱がされていた。
「お楽しみタイム!」
男達はその姿に興奮したように笑い、
テンションがおかしくなっていた。
「まさかタダで助けてもらえるなんて
思ってないよな」
「世の中需要と供給。
お礼はちゃんとしないとな。
それが礼儀というものだ!」
「このブラジャーちょっといやらしくねぇ。
誘ってんのか」
「淫乱だね」
下卑た笑い声に雑じり、
男達は口々に好き勝手な事を口走り、
彼女を愚弄していた。
彼女は涙目で叫ぶ。
「大場くん助けて」泣き叫ぶ彼女。
その声の先にはクラスメイトで、
あまり評判の良くない大場悟がたっていた。
「なに言ってんの。
大場くんに頼まれて俺達君を助けに来たんだぜ。
君が殺されるとか言うから。
結果なにもおこらなかった。
大場くんは見事君を助けたじゃないか。
でも俺らもタダで助けたわけじゃない。
お礼はしてもらわねえとな。
それだけの話し。
OK !」
「いや離して」
「こら暴れるんじゃねえよ。
お前しっかり押さえとけ」
そう言って彼女のスカートを下ろす男達。
不良とかイジメとかそんな枠を飛び越えている。
「大場くん助けて」
大場はその叫びに目線をそらせ呟いた。
「ごめん」
俺はその様子を扉の外から見つめていた。
大場悟。
ダメだこいつ。
普段素行が悪く同じクラスでは、
不良として浮いた存在。
普段偉そうにしてる奴なんてこんなものか。
状況はわからないが、とにかく今、学校の屋上で
強姦ショーが行われようとしているのは、
間違いなさそうだ。
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