0の境界線

3/13
前へ
/33ページ
次へ
俺は携帯を取り出しその様子をカメラに撮った。 そしてメールを開き、一斉送信の画面にして 画像を送付する。 その作業に手間取っている間にいつのまにか、 屋上の外は静かになっていた。 僕が再び外を見ると男達は下半身を露出させ、 嫌がる彼女の口を開けて自身の汚い肉棒を 彼女の愛らしい口にこじいれるところだった。 僕は携帯を掲げ屋上の扉を開け叫んだ。 「そこまでだ!」 突然の声にビックと体を震わせ固まる一同。 ぺニスをくわえさせられたまま固まった彼女も 涙目でこちらを見ていた。 慌てて下半身を隠した男の一人が口を開いた。 「お前一人か?」 僕はそれには応えず携帯を掲げて続けた。 「写真は撮らせてもらった。 僕がこのボタンを押すと、証拠写真はメールで 一斉送信される」 いくら頭が悪いとはいえ、 それが意味する事までは説明はいらないだろう。 その僕の予想は呆気なく裏切られた。 男の一人が叫ぶ。 「捕まえろ!」 こいつらがここまで頭が悪いとは予想外だったが、 次の瞬間、それ以上に予想外な事が起こった。 「逃がすな!」 男がそう叫んだ瞬間、 信じられない事が起こったのだ。 彼女にぺニスをくわさせていた男が突然、 仰向(あおむ)けで倒れたのだ。 下半身から血を吹き出しながら。 彼女の口には根本から千切れた肉の塊が、 いまだくわえられたままのぺニスが、 ピクピクと(うごめ)いていた。 まるで新種の芋虫のように。 鋭利な刃物で切られたように 突然股間から血を吹き出し倒れた仲間に、 わけがわからず固まる一同。 状況が把握される前に次の異変はすぐに起こった。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加