8人が本棚に入れています
本棚に追加
いつの間にか薄暗くなった教室に予鈴の
チャイムが鳴っていた。
「それで君は、この予言めいた日記が来るように
なってから、急にある人に好意を持ったり
逆に嫌いになったりしたわけだ」
「そうよ。
なんでそんな感情がわくのか私にも解らないけど」
僕は彼女の横顔を覗き見考える。
彼女はまだ全てを話してないだろう。
そもそも全てを打ち明けれる相手など、
この世にはいないのだ。
両親でさえ喋れない事はある。
だがここでそれを見逃せば命取りになる。
僕は額に中指をあてて考え出した。
少し前に流行ったドラマの探偵がしていた仕草だが
、これがやって見ると思った以上に集中力が
高まるのだ。
「その仕草・・・ 」
「えっ何?」
「うんうん、なんでもない。
気にしないで考えて」
僕は意識を額の中心に集め、
ロジックを組み立てていく。
そして導き出した答を告げた。
「ではこれまでの要点をまとめる。
1つ目に予言メールが来るようになったのは、
二週間前から。
2つ目にその予言はそのバラバラで、
意図した未来を送ってもらったりは出来ない。
例えばテストの内容が知りたいと思っても、
その内容が届いたりはしない
3つ目に、このメールが届く様になってから、
人にかんする感情、好き嫌いが変わった。
4つ目に、予言によれば君は明日死ぬ」
彼女は深刻な表情でコクリと頷いた。
「君は気づいてないのか本能的に考えないのかは
解らないけど、僕の考えを言う」
「うん」
「ここから導きだされるのは、
これはただの未来予知メールでない可能性がある」
「でも予知は全て当たってるよ」
「うん予知なのには間違いないけど。
君はこの宛先不明のメールサイトを開いて、
アカウントを取ってから、
この予知メールが届く様になったんだよね。
そのメールを開いた時に携帯が変になって、
文字が揺れだし携帯がブリーズし動かなくなった。
そしてあくる日携帯は普通に動くようになり、
それから変なメールが届くようになった。
予知メールが」
「うん、間違いないわ」
「このメールは予知と言うよりは未来の君が書いた日記なんじゃないかな。
つまり君は未来をリセットしている。
いやその可能性があると言う事」
「リセット?
どう言うこと?」
「君はずっと携帯に日記をつけるって
言ってたよね」
「うん」
「君は時間を巻き戻っているとは考えられない」
最初のコメントを投稿しよう!