君と探す、最期の場所は

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野本が手を伸ばして、私のドリブルをするボールを狙ってくる。 私は素早く避けて、シュートを狙う。けれどボールはゴールに弾かれた。 「俺の勝ち」 転がったボールを見て、野本が笑う。 「お前相変わらず、ドリブルはうまいのにシュート下手だな」 「うるさいな。久しぶりなんだからしょうがないじゃん」 「でもさ、今のフリーだったんだぜ。そのぐらい決めろよ」 体は大人だけど、子猿のような人懐っこい笑顔と口から出る言葉は小学生のままだ。 それから夕方まで夢中になってバスケをした。 特に会話はない。 ただひたすら汗だくになってバスケをする。 明日死ぬかもしれないのに、私たちはなんでこんなことしているんだろう。 ただ夢中になりたい。夢中になったまま、この時間がずっと続けばいいのに。 そう思ったけれど、時間は止まってはくれない。 「そろそろ終わるか」 やがて体育館の中に差し込む外の光も傾いて体育館も中も薄暗くなり、すっかり息のあがった声で野本が言った。
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