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The End Of The Line
月明かりを纏った君は、軽やかに踊る。眉をひそめた綺麗な顔が何だか悔しくて、つい僕は意地悪をしてしまう。
蒸し暑い熱帯夜よりも熱い心と身体に身を委ね、僕達はシーツを泳ぐ。耳元で感じる互いの鼓動がリンクする。
「久しぶり、だよね。こんな、ことっ……するの。」
「僕は、君のこといつも……、感じていたいと思ってたけど?」
「……そう。」
どんな顔をして、どんな気持ちで青子が呟いたのか、甘い熱に浮かされていた僕は気づかなかった。ただ、この時間が永遠に続けばいいと切に願う。
「……ねぇ。未来って、平行線……かなぁ?」
「……っ。何だよ、急に……。」
――やめてくれ。
「交わらない……、未来もあるのかなぁ……って。」
「知らないね。……見えない先のことより、目の前の幸福が大事なんじゃない、の?だから……。」
――それ以上はもう。
「……一寸先は闇だったら、嫌だなぁって。それがずっと続くのはもっと、嫌、だなぁって……。選択することで進める道が……っ、あるのなら――。」
――駄目だ。まだ聞こえない。聞きたくない!
「その選択が……、合ってるかなんて分からない。……でも間違ってたら、もう戻れないんだ!」
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