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「……初めに選んだ道が、間違ってたら?このままじゃだって……、進まなくちゃ何も変わらないの!」
「……私は、前に進みたいの。もう、傷を舐め合うだけの歪んだ関係を終わらせたいの!」
――バッドエンドの鐘が鳴った。この四年間で深くなり過ぎた傷に、染み渡るように響く。
嗚呼……。そんな言葉、僕は知らない。知りたくなかった。もう、何もかも終わった。夜の国は呆気なく崩れ去っていった。そして、僕の全ても崩れ去っていった。
穏やかな早朝――世間一般的には。でも僕にとってはこの世の終わりを告げる朝。窓から乾いた風が吹き抜ける。何ら変わりのない、一日の始まり。
あの夜は結局、お互いの気持ちを確かめ合うこともなく。ただ沈黙が、相手の気持ちが見えないことが、こんなにも恐ろしいものだと痛感しただけだった。
顔を逸らす青子は間違いなく泣いていた。微かな嗚咽が聞こえるが、僕にはもう分からない。強く握り過ぎてしわくちゃになったシーツを見て、これが今の僕らだと感じたんだ。
「青子……。」
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