Between The Lines

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 僕達が付き合い始めたのは高校三年生。お互いにまだまだ青くて、どうすればこの関係をバレずに続けられるか少ない知識で必死に考えた。そこで思いついたのが親元を離れること。進路をどうするかお互いに決めあぐねていたため、思い切って東京の大学を受けることにした。意外にも親はすんなり了承してくれた。「やりたいことがあるなら、やらないよりやる方がいい」と。僕達は猛勉強して、見事同じ大学の学部こそ違うがそこそこ偏差値の高いところに受かった。上京前夜、あの日は胸の高鳴りが抑えきれず、すぐ隣の部屋で両親が寝ているというのに、二人でキスをして溶け合った。幸せ過ぎて死にそうだ。今ならどんなことでも乗り越えていける、そんな気がしたのに。  突如、(つんざ)くような高い音が耳を震わせた。驚いて足元を見ると、グラスが盛大に割れていた。やってしまった。しかもこれ――。 「ちょっと、凄い音したけどどうしたの?……それ。」 「ごめん。ぼーっとしててさ……。本当に、ごめん。」  落とした破片でどこか切ったのだろう。海の色をした真っ青なガラスの破片の中に、命の色をした真っ赤な血が混ざっていた。  嗚呼(ああ)、神様。海を(けが)したのは僕?それともこれは近づいてくる不規則な足音?何で、よりによって――。  誓いの言葉を交わしたあの日のグラスを割るなんて。
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