冷たい体と熱い想い

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 直也のことならもう大丈夫、俺がカタをつけたから。だからおばあさんのことは、俺と一緒に考えよう。  それから。シオンとのこれからのことも、一緒に考えさせてほしい。俺にとってはシオンが誰よりも、何よりも大切な存在だから。 「シオン…………ユキ・シオン……」  もう2度と苦しい、辛い思いなんてさせない。俺がシオンを、シオンを脅かす全てから守る。今度こそ絶対に守るから。  お前が目を覚ましたら、俺のこの想いを打ち明けるよ。最初で最後の告白、ちゃんと向き合って聞いてくれよ?  それでごめん。もし万が一お前にフラれても俺、諦めることなんてできないわ。というより、お前が俺を同じように想ってくれているって、信じているから。  だから目が覚めた時、隣に俺がいても、俺の腕の中でも、絶対に絶叫なんかしないでくれよ?  俺はちょっと嫌な予感を抱きながらベッドに手をつき、シオンの隣に横になる。そっと抱きしめて、その体の冷たさに胸が痛んだ。  もっと早く、直也よりも早く見つけられたら。手を離さないでいたら。
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