ライガー王

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 テーブルを挟んで俺と悠一は向き合うように正座。悠一は、キュッと口を引き結びうつむいたまま動かねぇ。  なんだよ、説教くらってしょげてる子供かよ。立場が逆だろう?  全ての片付けが終わってこの姿勢になってもう5分。あんたから話してくれねぇと始まらねぇの、わかってるだろうな? 「…………チッ!あぁもう、これだからオッサンはっ」 「へっ?あいたっ!し、シオン、膝打った……っ!」 「知るか。どうだ、こっちの方が落ち着くんじゃねぇの?言いにくいんなら俺の顔を見なくていい。俺のことを想ってくれるんなら、隠していることを全部吐け。俺は、悠一の全部を受け入れるから」  表現的にも実際にもしびれを切らした俺は悠一の腕をつかんで引き立たせ、ソファーにブン投げた。  立ち上がる時に膝を打った?俺だって足がビリビリなんだっつーの。我慢しろ。……あとで見てやる。  柔らかいソファーなら少しは緊張も和らぐだろうし、隣に座っているから顔を見なくてもいいだろ?あぁ、俺って優しいなぁ? 「全部吐けって、まるで警察の取り調べみたいな。う、ん…………何から話せばいいのか、正直まだわからないんだよ」 「んなの簡単じゃねぇか。最初から、あんたの生い立ちを時系列に沿って話せば?気になることがあればその都度突っ込んでやるよ」 「俺の生い立ち、かぁ。早く突っ込んでほしくてウズウズしてるくせに」 「茶化すんじゃねぇよ。俺はあんたに全てを打ち明けた。まだ知らねぇことがあるって言うんなら後々教えてやる。俺は悠一を愛しているから全部見せる、傷ついてでも知ってほしい。悠一は?」  俺の冗談にいちいち乗っかってくるんじゃねぇよ。夜のことを考えて体が熱くなっちまうだろ。
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