ライガー王

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「じゃあ悠一は特殊中の特殊ってことか。両親ともに猫科だし、ライガーは実在する動物だし」 「……それだけなら、良かったのにな。実在はするけど、俺の場合は特殊が危険に変わるんだよ。お前、画像とかでライガーを見たことはある?」  一時期、自分のことを調べていて猫科についても調べていたことがあった。ライガーは人間の手で作られて人工飼育されるから人懐っこい。  けれどその体はとても大きく、体長は4メートル近く。体重は400キロを超えるとかで、じゃれるだけでも大変危険。  人懐っこいだけあって顔は可愛かったけど、隣に立っていた飼育員と見比べるとまぁ、その体の大きさに合成を疑ったな。結果、大きすぎる可愛い猫。  俺がうなずくと、悠一は「じゃあ動物、擬人化種の世界のカーストはわかる?」と呟いた。  カーストって、序列とかのことだっけ?食物連鎖とか弱肉強食とか、あれ違う? 「擬人化種のカーストは力の強さ。トップはもうわかってると思うけど、あの市長の香さん。それでそのすぐ下が、俺。ライガーは元々体が大きいし、動物的に力が強い。プラス俺には、生まれつき別の力がある」  そこで悠一は、口を閉ざした。1000年を生きて妖孤にまでなった香さんの次とか、どんな力を持ってんだよ?  けどその力が良くないものだってわかる。その力が、直也のことと関係してるんだろ?なんとなくわかってきたぜ。  悠一が持っている何らかの力が、ライガーの悠一に触れたら感染してしまうとか。しかもそれが侵食系で、命を脅かすんだとか。なんて、ただの想像だけどな。  なんかもう、色々ありすぎて特殊能力的なこととかに免疫がついた。すんなり受け入れている自分が恐ろしい。
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