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そういえば。意識があるシオンを風呂に入れるのって、初めてだなぁ。
俺はもう若くないとはいえ、あんなに煽られれば我慢の限界が来る。あれで狙ってないって言うんなら、この先俺は鼻血必須の甘えに免疫をつけないといけないのか。
いや、もうほんと、不意打ちで鼻血の量が半端なかった。ちょっとクラッとする貧血レベル。
ただでさえシオンは魅力的なのに。可愛くて、綺麗で、口調は乱暴だけれど優しくて真面目で。強気で負けず嫌いなところも可愛い。
一目惚れ、一声惚れ。白猫の姿でも綺麗な体で、撫でてやるとすぐにゴロゴロ喉を鳴らして。でもゴロゴロさせられるのは嫌なようでハッと我に返ってツーン。それもまた可愛い。
それなのに恋人になってイチャつくようになると急にエロい。シオンが甘えモードになるとブワッと甘い匂いが濃くなって、酔う。
細かい動きもしぐさも、声もしゃべり方も、それから目つきまでもがエロい。
熱っぽく、潤んだ水色の瞳で見つめる先には俺。エロいシオンは俺だけのもの。ネコヒメは他の客達が味わってきたんだろうが、これからはネコヒメはいない。
完全に、俺だけのシオン。シオンだけの、俺。あぁ、できればバイトも今すぐ辞めてほしいところだけど。
白猫姿のユキだろうと、他人に触れさせるのは我慢ならない。でも、本人が楽しいから辞めたくないというから渋々許している。
なんなら客として行って、開店から閉店までずっと独占していようか。無理か。ジャガー店長様に殺されるわ。
なんてバカなことを考えながら、俺はシオンの背中を見つめる。
「背中も腹もすっかり治ったな。これで、思う存分シオンを抱けるって思うと嬉しいよ。あいたっ!何で叩く?お前もこの日を待ってたんだろう?」
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