319人が本棚に入れています
本棚に追加
/811ページ
くそぅ、ドクトルが戻ってきた。しょうがない、終わってから考えよう。顔を上げると、書き終わった問診票を受け取りながらちゃっかりシオンの手を撫でようとしていたので。ゴッとドクトルをド突く。
脇腹に第二関節まで指をめり込ませ、たまらずドクトルは悶絶。立ち上がりながら足を踏んでやって、同じく立ち上がったシオンを引き寄せる。
触るな。
無言で睨むとドクトルはフラつきながら機材がそろった部屋へと案内。身長と体重から順に測定していく。
シオンも少しは危機感を持ってくれ。俺が守ってくれるからって信じてくれるのはすごく嬉しいけどさ、こっちは気が気じゃないんだよ。
検尿のためにとったシオンのホカホカの尿。紙カップに入ったそれを、ドクトルはジィーッと凝視。
「あだぁっ!!」
「ドクトル、次は何ですか?俺達、この後の予定が詰まってるんで早くしてください。ねぇ。聞いてますか?そんなに震えていたらソレ、こぼれますよ。早く、案内してください」
「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いっ!気持ち良さゼロッ、ただただ痛い、かもぉっ!つ、爪ぇ……っ」
我慢の限界。1発、ブン殴ってやろうと思ったんだけどな。被害者のシオンがスゲェ強かった。
ドス黒い満面の笑みを顔に張り付けて、詰め寄って。俺がド突いたのと全く同じ場所をつねっているんだ。それも、猫の爪を伸ばした状態で。
そりゃあ痛い。いくらマゾのドクトルでも、うっすら血がにじんで見えるほどの攻撃には絶叫。
最初のコメントを投稿しよう!