名は体を表す

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 と思ったら、キーンコーンカーンコーンとチャイムが鳴った。ここはシオンが通う、そして俺が勤務する大学の保健室。 「大丈夫、次も受けなくていいぜ。その次は受講だけど、それまではここにいる。なぁ、悠一……」  シオンは大学生だが俺と出会うまでに大体必要な量の授業を受けてきたらしくてな、今はこうしてだらけているんだ。  今日は午前中に1回だけ、午後は全部出席の予定。それまではこうしてここで、俺とイチャイチャ。  まぁ、俺も暇だしな。暇じゃない時もあるが、作業をしていてもシオンがじゃれついてくるからやむなく中止せざるを得ない。  シオンが来ている時はカーテンを引いているし、カギもかけている。前に生徒が入ってきてビビったからなぁ。それに、そうしないとシオンが怒るし。  たぶん、完全に2人っきりでないと思う存分デレられないからだと思う。ゴロゴロ喉を鳴らして甘えてくるし。でもそれはベッドの上限定。  他は大抵、ツーン。立派なツンデレ。指輪をつけるようになってからデレが増えているとは思うけどさ、ツンとデレもばっちり分かれたと思うのは俺の気のせいか?  俺の指輪を買い直してから、ずっと指輪は嵌めたまま外さない。普通はそういうものだろう?  だから俺達も、大学にいる時も気にすることなく堂々と指輪は嵌めたまま。声をかけられれば、相手の名前は明かさずに「大切な人との誓いだ」と、笑う。
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