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――俺って、やっぱり出会いに恵まれていたんだなぁって改めて思った。
俺を拾ってくれたばっちゃんは俺に素敵な名前を付けて、愛をもって育ててくれたし。そのあとは悠一と出会ってさ。
直也と出会わなければ、悠一とも出会わなかった。本当、出会った頃の直也が懐かしい。
そういえば俺の知り合い、直也以外はみんな擬人化種。…………この世界って、人間の世界だよな。この数か月で急激に擬人化種と出会いまくってさ。
いや、他にも大学の友達とかも人間でいるけどさ。そこまで親しくないっていうか、白猫だってバレたくねぇからあんまり深くは親しくならないようにしてたんだ。
そんな人間の友達の中で、直也だけは特別だったのかもしれないな。裏があったとしても、あいつは確かに俺の友達なんだ。
俺に声をかけてくれた、初めての友達。シカトしてもしつこく絡んできてクッソウザかったが。
俺の姿を見つけた時に、じゃなくてわざわざ探して、声をかけてきた。絶対に諦めなかった。それくらい本気で俺と友達になりたかったんだって俺は勝手に思ってる。
直也が闇に呑まれていなければもしかしたら俺は、俺が白猫の擬人化種なんだって明かしていたかもしれない。明かしても友達のままでいてくれる、ありのままの俺を受け入れてくれるって。
そう、思っていたのに。でも、あんな風に歪んでしまっても直也は直也。俺は、信じてるからな。
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