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「直也は俺の大事な友達だから、俺はずっと信じて待ってるって決めたんだ。それをとやかく言うんなら、いくら悠一でも怒るぜ」
「嫌だ。あんなやつのことなんか忘れてほしい」
「嫌なこった。悠一は俺に男友達を作るなっていうのかよ?我が侭だな。俺は悠一と一緒にいる、心から愛している。こんな関係になったのに、俺を信じてくれねぇのかよ?」
キラリと光る、左手の薬指に嵌まった指輪を悠一の目の前に突き付ける。自分の指に嵌まる同じ指輪に視線を落とし、けれど黄色い瞳の奥の炎は消えない。
「だって、嫌に決まってるでしょ。直也がシオンに何をしたのか、深い理由があったとしても。俺の大事なシオンを傷つけ汚したあいつを許せるはずがない。あいつをまだ友達だとか言って信じているシオンも、い――」
「俺も、嫌なのか?俺を信じてくれないっていうの、かはぁっ!!?はっ、あ、ゆうい、ち……っ」
たしかに直也は俺に散々酷いことをしてきた。体だけの関係、商売はエスカレートしていって。俺を犯して、輪姦して、監禁しようとして。
暴力だって。俺が白猫の擬人化種だってわかったらそれで、商売をしようとしていた。
それでも俺はどうしても、直也の手を離したくないんだ。悠一なら、俺のことを愛してくれている悠一ならわかってくれると思ったのに。
駄々をこねる子供のようだったのに急に大人になって、悠一はいきなり、俺の喉に噛みついた。
「嫌なもんは嫌なんだよっ!!俺はどうしても直也を受け入れられない!そんなに直也が気になるなら………………気にならないくらいに、俺のこと以外考えられないように…………魅了してやる!!」
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