名は体を表す

13/20
前へ
/811ページ
次へ
 瞳の黄色の部分はぼんやり発光しているし、瞳孔は細くなって完全にライガーの目だ。怒りに燃える、怖い目だ。  慰めるなんて言ってられねぇ。逃げないと。でも、こんな状態の悠一を放ってはおけない。なんとかして、悠一を落ち着かせられないか?  俺の口を塞いでいる手を外すとすかさず唇を重ね、いや、噛みついた。伸びた犬歯、牙が見えるほど大きな口を開けて俺の口に噛みついてきて。  ヌルッと熱い舌が、奥で怯えて縮こまっていた俺の舌を見つける。絡め取って、引っ張り出して、歯を立てた。  舌を噛み切らない程度に加減はしているけど激痛が腰まで響く。涙がにじんで、口の中に生温かい鉄の味が広がる。  けどすぐに、グイッと手で顎を持ち上げられて。キスをしながら悠一の唾液が流し込まれて薄まった鉄の味が、重力に逆らうことなく喉の奥に流れていった。  息ができない。むせる。でも口を塞がれているから咳もできなくて、ビクンッビクンッと体を跳ねさせて喉だけで咳をすれば。 「んっ!!んはっ、やあっ!んむっ……んんっ!んーっ!」  暴力的なキスをされている間に脱がされてしまった俺の下半身。その、恐怖に震えながらも透明な液を垂らしている竿をギュウッ!と握られた。  握り潰されるんじゃないかってくらい強く、しかも玉も一緒に握られて。次の瞬間には熱くて硬いものが押し付けられる。
/811ページ

最初のコメントを投稿しよう!

319人が本棚に入れています
本棚に追加