名は体を表す

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 俺のナカが大好きな、そして俺も大好きな悠一の竿。半起ちのそれが俺の竿をグリグリいたぶっている。  だめだ、早くなんとかしねぇと。俺がもたない。それに、悠一はこれ以上してしまったらきっと傷つく。落ち着いて我に返った時、自分がしたことに恐怖するんだ。  だから、早く。俺が俺で、悠一が悠一であるうちに。  何なんだよこれは。悠一から愛を感じない。愛がない、同意がないセックスなんてレイプじゃんか。犯罪だぞ、わかってんのか?  しかも悠一が豹変した時から、悠一の体から放たれているヤバい匂いが俺を襲うんだ。いつもの、俺を好きだっていう甘い匂いじゃねぇ。  女の化粧とか香水よりも酷い、気持ち悪くなるほど甘くてキツくて。アルコール度数のエグイ酒みたいに脳を直接揺さぶってくるくらいのクラクラ。  悠一の魅了の力、相手を虜にして心を奪う力だ。俺はその力を上回るほどの愛で耐性をつけたと思っていたのに。  悠一が本気になれば、力を解放すればこんなにも強く引き込まれる力を発揮してしまうなんて。  あぁだめだ。心も体も痛いのに、その痛みがイイって思ってしまう。爪を立てて責め立てられている俺の竿がもう、強すぎる快楽で爆発寸前。  悠一の魅了の力のせいで、次から次へと痛みが痺れるほどの快楽に変わっていく。  気持ちいい。愛し愛され、お互いを求め合うセックスの快楽とは全く違う。体が、悠一によって与えられる刺激をただ「気持ちいい」と感じるだけ。そこに幸福感はない。
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