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顔、赤くなってたよなぁ?綺麗で可愛かったもんなぁ?まんざらでもねぇってか?ふざけんなよ。こっちは枕抱きかかえて、ずーーーーっと見ていたんだからな。
わずかなカーテンの隙間からジーーーーッと見てた。友達とか家族の愚痴ばっかり、だんだん身を寄せて、割と大きな胸を押し付けるように腕に抱きついてさ。
そこでつい、悠一が目を向けたんだよ。もう、釘付け。顔が真っ赤っか。
俺、くしゃみをしてやった。ついでに咳も、わざとらしく大きく。悠一と目が合ったんだぜ?俺、めっちゃ睨んでたからな。
青ざめる悠一と、2人っきりじゃないとやっと気づいて慌てる女。ざまぁみろ。
でもな、人間の女って怖いな?それでもあの女、悠一の腕を離さなかったんだぜ。だから俺、さらに咳き込んでさ。「ゲッホ!ゴッホッゴッホッゴッホ、ゴッホォッ!」って。
とある有名画家の名前を連呼して、悠一が女の肩を押して外に追い出した。
それから俺、フテ寝。帰宅時間まで完全に口をきいてやらなかった。寂しかったけどな。でも悠一へのお仕置きだから。まぁ、悠一が悪いんじゃな……いや、拒みきれなかったヘタレオッサンが悪い。
直也の件が片付いてしばらくして。悪く有名になっていた悠一の名前と存在が大学中に知られてから、以前よりも声をかけられることが多くなったって言っていた。
それがさらに進んで、年上好きの女が騒ぎ出したんだよな。しっかり指輪、してんのに。
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