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なのに体は悦んでいる。大好きな悠一の白濁を注いでもらって、この上ない喜びにビクビク震えて。でも心は、冷たい。凍りついていく。
ショックで感情が抜け落ちていく感覚。まさかそんな、って。ドクドクッと腹の奥に吐き出される熱い白濁をいつも以上に感じる。
最後までされた。犯された。レイプされた。信じていたのに。悠一に。俺の、大好きな悠一に。大好き、だった悠一に。
決めた。
「はぁっはぁっはぁっ、はぁ、はぁ……ハハッ。どうだ、俺に無理矢理……え?あっ、おいっ!シオンっ!待て、シオンっ!!」
最初から、こうすればよかった。
まだ悠一を求め痙攣しているナカをうねらせる体。この体は俺のだ。自分の舌を噛んで、痛みで自我を取り戻す。口から血が流れ出るのも気にせず、白猫に変身。
達してからも俺を抱きしめたまま、離さずにうなじを舐め上げてせせら笑う悠一なんかもう知らない。
俺の中の悠一は。笑顔の悠一は、いなくなった。霞のように消えて、いなくなった。
俺は悠一の腕の中から抜け出ると窓の前まで走り、一旦人間の姿に戻って窓を開けるとまた白猫に変身。振り返ることなく、そのまま駆け出した。
俺は、猫屋敷悠一から逃げた。
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