冷たい指輪

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 俺はもう2度と、シオンと直也を会わせたくないんだよ。連絡を取ることもさせない。  シオンと関わることがないよう、轟木直也という人間を…………今度こそ、この世から消してやりたい。シオンと再会する前に、できることなら今すぐにでも。  手が、震える。ギュッと握り締めれば、体から殺意がにじみ出ているのが自分でもよくわかる。怖い、な。きっと、またシオンと会って直也の話をすれば。  今度は、ナカから血が出るだけじゃあ済まなくなる。そんな気がする。俺は、俺が抑えられなくなる。そうなる前に……  あぁ、だめだ。考えれば考えるほどにドロドロした闇に埋もれていく。シオンを犯した、その言い訳ばっかりが浮かんで。  今、シオンがどこで何をしているのか心配しない。心配はしているけど、俺の足は、動かない。  本当に心から愛し合う恋人ならこういう時、何も考えなくても走り出して探しに行くものだろう?なのに、な。俺の心臓は警告音を鳴り響かせているのに穏やか。  乱れた衣服を元に戻し、赤にまみれた竿をティッシュで拭ってパンツの中へ。ベッドから降り、窓から差す日光でキラッと光ったものに目を向ける。  左手の薬指にある、シオンとおそろいの指輪。幸せの証。痛い。心臓を、直接ギュウッ!と握り潰されているみたいに痛くて、苦しくて息が止まる。  ユルユルと持ち上げて、なぞるように撫でる。右手の人差し指と親指でその指輪をはさんで、グッと引っ張った。
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