冷たい指輪

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 俺は負けねぇから。悠一に「嫌いだ、もう愛していない」って言われても。それはそれでかなりショックだけどさ、諦めねぇから。  絶対、また俺を愛してくれるって信じてるから。それに、俺が悠一の心を離さねぇから。  だって俺、悠一のこと大好きだもん。運命だって自信があるぜ?思いが通じ合って恋人になって体をつなげて。あの幸せいっぱいなひと時は悠一とじゃなきゃ味わえねぇんだ。  幸せ過ぎて、バイトで店長に惚気たんだぜ?幸せ過ぎて死にそうだって、休憩時間中にずーっと話してさ。  惚気すぎて、店長に「もううんざりなんだけど」って言わせたくらい。あの時の店長の顔、ヤバかったな。げんなりしていて、「こんな子じゃなかったのに」って顔に書いてた。  他人に幸せを振りまくくらい、心からの幸せを心も体も感じていて。本当に、今すぐにでも死んでしまうんじゃねぇかって心配したくらい。  けどさ。どうしても悠一が俺を拒絶するなら。今は、離れといてやるよ。  苦しいけどさ。悲しくて、寂しくてたまらないけどさ。白猫の姿でボロボロ泣きながらでもさ。今は離れといてやる。  だから。俺がいないことの寂しさを、俺がいることのありがたみを感じて、落ち込んでしまえ。  大事なものは、失ってからその大事さに気付くってよく言うだろ?だからさ。恋人になってから何をするにもずっと一緒だったから、俺のありがたみを忘れてんだよ。  早く思い出せよ?思い出して、寂しいって泣いて、落ち込んで。酷いことをしたからって自殺なんて考えるんじゃねぇぞ?
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