冷たい指輪

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 悠一が死んだら俺は何のためらいもなく死ぬ。一瞬で、長く伸ばした爪でこの首を、掻き切って死んでやる。  それくらいの覚悟が、俺にはあるんだよ。悠一と出会ってもう少しで1年。悠一が俺にしてくれたこと、言ってくれたこと、与えてくれたもの。全てが、俺を変えた。  悠一もそうだろう?違うなんて言わせねぇから。悠一はヘタレオッサンだからな。俺に「嫌いだ」って言っても、絶対に俺の目を見て言うことなんかできねぇんだ。  だってそれは本心じゃねぇから。あんたの本心、思い出させてやるよ。その口からもう1度言わせてやる、俺が大好きな悠一の本心。だから、さ。  何もかもを放り出して俺を探せ。悠一ならわかるさ、俺がどこにいるのかなんてさ。  待ってるから。俺と悠一しか知らないその場所で俺、悠一を信じてずっと待ってるから。ヘタレオッサンが方向音痴をいかんなく発揮してもいいから、俺を見つけろ。 「ンニャッ。ニャア」  着いた、俺の居場所。でもそこは風当たりが抜群だから寒くて。もう日が落ちかけているからとりあえず、近くの公衆トイレの個室へ。 「うぅ、寒っ」  このセリフ、さっきのユキの時のセリフと同じな。個室に入ってシオンになって鍵をかけると、素っ裸なのですげぇ寒い。  クソッ、便座にヒーター機能がついてればいいのに。そんなわけねぇか。なんて思いながらしゃがんで、自分の肩を抱く。
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