冷たい指輪

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 冷たい風は防げるし、雨が降ってきてもここなら濡れる心配はねぇ。それでも、素足。  タイル張りの床は冷たくて、足の裏から寒さが這い上がってくる。風邪をひいたらヤバいな。日が落ちればもっと冷え込むのに。  早く来いよ、悠一。  早く俺を見つけ出して抱きしめてくれよ。俺の細い体を、その大きな腕で包み込んで。息を吸いこめば甘い、悠一の匂いで肺をいっぱいに満たしたい。  それから、謝れ。俺も謝るから。これ、絶対な。  あと、謝りながらキスをしてくれたら笑って許してやる。優しい、触れるだけのキスでもいい。そしたら、俺からまたキスをしてやるから。  最近は髭が伸びてきてキスのたびにチクチク痛いんだけどさ、それもついでに許してやるよ。仕返しに、ザラザラの舌で舐めてやれるからな。  チクチク対ザラザラ。悠一、このザラザラの舌で耳とか首とかを舐めてやったら弱いんだぜ?  いちいちビクッ!って跳ねて、慌てて離れようとすんの。あれ、気持ちいいのか?滅多に見せねぇ反応だし、俺だけが知ってる可愛い悠一。 「悠一。悠一…………猫屋敷、悠一。俺の、悠一」  会いたいよ。悠一のことばっか考えてたら、たまらなく会いたくなった。今すぐ会いたい。声を聞きたい。顔を見たい。
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