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俺は、自分のパンツを畳んでいた笑也に両腕を伸ばし抱きしめた。もう震えはしない。はっきりとした言葉で思いを伝え、縋る。
悠一を見つけ出すには俺だけじゃだめだから。だからって笑也がいれば見つかるのかと問われれば、わからない。けど、できる。できるって自信がある。
「もちろん。途中で見捨てるようなダメな飼い主じゃないさ、これからもよろしく。俺に何ができるかなんてわからないけどさ。まずはあんた達のことを教えてくれ」
緋桜さんは俺に、悠一を探す覚悟ができたら電話をって言っていたけどさ。正直、ケータイも何も持っていない、むしろ素っ裸だしって思ってたんだ。
さすがに電話番号は覚えてねぇし。でも、緋桜さんと香さんがいる市役所なら。
俺は笑也から離れて、下着以外の洗濯物を畳むのを手伝う。そうして、俺達擬人化種のことや俺と悠一のことをかいつまんで話していった。
ばっちゃんは殿堂入り。俺にとって2人目の、人間の友達。そして2人目の、変態。
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