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「お待たせー……って、何やってんの?アクロバティックというか、すごい体が柔らかいんだな」
な、な、な、何でこのタイミングで戻ってくる!?
「声をかけてくれれば手伝うのに。こらこら、暴れない暴れない。熱も出て体が動かせないくせに、そんな無理ばっかりしてたらここにいる時間が伸びるだけだって」
なんだか落ち着かなくてさ。キャビネットに、下手くそにたたんで置かれていた俺の服を着ようとしたんだ。
そしたら体が思うように動かなくて。せめてパンツだけでもと思って頑張ってたんだが上手くいかず、だんだんムキになってきて。
俺の体の柔らかさを主張するような、よくわからない格好で奮闘している時に先生が登場。
手に持っていた、2つのカップ麺を乗せたおぼんを小さい座卓テーブルに置いた先生が笑う。やめろ、恥ずかしい。今すぐ気絶して記憶を抹消してくれ。
なんて願いは届くはずもなく。ギシッとベッドに乗ってきて、まずは指と足に絡んでちょっと伸びちまったパンツを外す先生。
そんで、俺の足をつかんでグッと乱暴に持ち上げる。や、やめろ、アソコが丸見えっ!?
「ははっ。まるで大きな赤ん坊だなぁ。そんな真っ赤な顔で睨まれても可愛いだけだから。はいはい、腰を上げてー……よし、穿けた。続けてズボンもいくよ」
ふざけんな!吠えようとしても、息が強く吐き出されるだけ。屈辱的過ぎて俺は、いそいそとシャツを手繰り寄せた。
メッチャ楽しんでやがるぞこの先生。楽しそうに笑っているが手早く、けど傷つけないよう優しくしようと気を使ってくれているのがわかる。
あぁもう、19年の俺の歴史上最悪の出来事だ。
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