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理想像
小さい頃。
まだ町の掟とか難しい話なんか少しも分からなかったあの頃。
俺の住む町には勇者様がいた。
国の騎士団もいたし、町を守るためならば魔法も使えてなくてはならないという王様の考えで武器も魔法も使える頼もしい騎士団だった。
小さい頃はその鎧にまとった姿が行進する様はとても格好いいと思った。
国の成り立ちを先生から聞けば代々勇者様と魔王の戦いは続いているそうでそれはもう数百年と続いているのだそうだ。
歴代の勇者様の写真だったり像だったりがあるのは、その勇敢さとある時には魔王を倒し帰ってきた勇者様を称えるためだそうだ。
当然俺も歴代の勇者様を称えたし、将来俺も勇者になれるのだろうか。
騎士団の一人になって母親と父親に格好良い所を見せたい。
この町を守る一人になるんだとか夢を見ていたりもした。
町の外に居る異形の形したのはモンスターであると教えられた。
図書館に行けば町の周辺のモンスターの図鑑だったり、どれが危なくてとかそんな細かいことが書かれた本もあった。
凄く不気味なモンスターもいた。
俺はそれを見て怖くて寝れなくなったのを覚えてる。
そんな俺に考えの変化が訪れたのは勇者様一向が町から出て行った時だ。
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