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けれどそんな返事が帰ってくると思っていなかった俺は驚きのあまりなんの反応も返せない。
ずっと爽は“好き”だとは言ってくれても“愛してる”は伝えてくれなかった。なのに今爽の口から出た言葉は…。またもや泣きだす俺に爽はあたふたと腕を動かす。
そんな爽に何でもないと首を降る。ただ嬉しいだけ。ああ満たされる。爽といれば苦しいと哀しいと叫んでいた心がただ愛しいと嬉しいと笑うのだから。
だから返すのだ。返事を、声が出ないから。
軽いリップ音でーーー
目を開ければ驚いた顔をする爽の顔がある。なんだか照れくさくて顔をそらすと
「稜っ、大好きだ。」
と抱きしめてくれる彼がいて。この体温に安心する。
ねぇ、爽。俺を俺を
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