死ぬほど愛してる1

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それは突然だった。放課後、俺は友達の爽を待っていた。部活が遅くなるといい、体育館に戻っていく彼を見送ったのはついさっきのことで。しばらく暇だなと考えながら俺は携帯を取り出す。電源をつけるとボワっと光が灯る画面。その画面に表示されるメール着信。LINEやらTwitterでやり取りするのが当たり前になったご時世にわざわざメールで届いていたものに俺は少し好奇心を寄せられた。特にメルマガではなかったし、非通知だったため俺は更に好奇心を揺すぶられ軽くタップしてロックを解除する。      【会いたい】      そうとだけ書かれた文面に思わず眉間にシワが寄る。誰かのいたずらだろうか。そう思いつつももしもの可能性を考えて俺は背筋が寒くなった。あいにく俺が今いるのは校門前でここでは誘拐も難しいだろう。しかし不安になった稜はスマホの電源を切り、体育館に向かった。結局その日は何も起きず、珍しく体育館前で爽を待っていたことに驚きはされたもののそれ以外は日常だった。帰り道、様子がおかしいことに気づいたのだろう。爽が心配した様子で声をかけてくれたがどうしても自分の口からは先程のことが言い出せず、笑ってやり過ごした。        「何でもないよ」        そう言って。    翌日俺はいつもどおり起床し、いつもどおり学校に向かったはずだ。それがどうして…
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