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「朱里、俺....俺もお前のことが好きだ!」
「....え?」
「なにそれ、両思いだったってこと? それなら私は貴方なんか興味ないわ。お幸せに」
「ちょ、まっ....」
女の子があっけなく私たちの前を去っていくから、ビックリした。
てっきりまた攻撃してくるのかと思ったから。
って、あれ? 今、黒炎君....。
「お前のこと好きだって、もしかしなくても私?」
「....お前以外に誰がいるんだよ」
そういって、そっぽを向く黒炎君。
見れば、耳も顔も茹でだこのように真っ赤だった。
「でも、どうして?アカリちゃんが好きなんじゃないの?」
「アカリのことは確かに好きだぞ。だけど、リアルの女を好きになったって良いだろ」
「んん?」
その区別はついてたんだ。てっきりリアルとゲームがごっちゃになってるとばかり。
「あれ、でもリアルは捨てたって....」
「あれはお前が乙女なんちゃらのミカなんとか? を好きだって言うから....それなら諦めるしかねぇかなって」
「え....」
あー、中学時代のことね。私の黒歴史のせいで、黒炎君は私のことを諦めるはめに。
「私、ゲームキャラとしか思ってなかったよ?」
「....は?」
こちらもまたビックリ。
互いにゲームキャラを本気で愛していると勘違いをしていたらしい。
「私は中学時代からずっと黒炎君が好きだったよ。確かにゲームキャラにもハマってたけど、それはそれっていうか....それにゲームキャラだと触れられないし」
「それは....俺も同じこと考えてた。朱里のこと好きだ。あのゲームだって朱里と同じ名前のキャラがいるから購入しただけで」
「待って、そのわりにゲームキャラのアカリアカリ言ってたじゃん」
「それは....ずっとしてたら愛着沸くだろ?」
「もう....ふふっ」
「ははっ」
黒炎君の言葉が理解出来てしまう私はつい笑みがこぼれてしまう。
「改めてお前に告白するぞ。俺、柊黒炎は霧姫朱里のことが世界で一番好きだ」
「私も黒炎君を世界で一番愛しています」
「....っ」
「うっ....」
面と向かって告白をしたせいか、恥ずかしくてまとも目を合わせられない私たち。
でも、これで晴れて両思い。
「昼休みも終わるし、そろそろ教室に戻るぞ....朱里」
「う、うん!」
手を差し伸べてくれたので握り返す私。
それは、恋人になって、はじめて手を繋いだ日。
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