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「綾瀬さんに指摘されたところ、直してみたので確認してください」
茜田先生から貰ったメールを、わたしは何度も読み返した。
早く電話をして、原稿を取りに行かないと。
頭では分かっているのに、指先が動かない。
ホテルの控え室で悶々としていると、「綾瀬さん」と声をかけられ現実に引き戻された。
控え室のドアのところに、水元さんが立っていた。
今日は夲羽先生の授賞式。
水元さんは、海のように深い紺色の着物を上品に着こなしていた。
女のわたしが、ぼーっと見とれてしまうほどに美しい。
水元さんみたいな美しい容姿だったら、わたしも自信が持てるのだろうかと考える。
「守屋先生、早めに到着したみたいよ」
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