story 17

26/27
2068人が本棚に入れています
本棚に追加
/472ページ
彼女が着ている、ぶかぶかのスウェットの裾を引っ張った。それから彼女のまるい耳朶に唇を寄せる。 「さっき着たばっかりですけど、‥‥脱いで」 耳元で囁くと、綾瀬さんの身体が強ばった。 俺の服を握っている細い指に、力が籠る。 「やっぱり、嫌?」 低い声で尋ねると、それでも彼女は首を横に振った。 緊張や恥ずかしさを抑え込んで、俺を受け入れようとしている健気さに心が(かし)ぐ。 恥ずかしそうに俺を見つめる綾瀬さんを、俺にしか見せないその表情を、もっと見たいという感情が沸き上がってくる。 「‥‥じゃあ、着たまましますか?」 裾から手を入れて、少し冷たい彼女の背中を撫でた。 首筋に舌を這わせながら、指先に当たった下着をほどく。
/472ページ

最初のコメントを投稿しよう!