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お腹の方に手をまわすと、それでも彼女は恥ずかしそうに身をよじり抵抗した。
「綾瀬さん、言ってることと行動が伴ってないです」
冷ややかな目で見下ろすと、彼女は可愛らしい顔を僅かに歪ませる。
「あの、恥ずかしくて」
「じゃあ、今日はやめておきますか?」
そう聞くと、彼女はぎゅっと唇を結んで、潤んだ瞳で俺を見上げた。
その表情があまりに可愛くて、俺の口角が僅かに緩む。
俺の言葉に、指先に、甘く反応する彼女が堪らなく愛しくて苦しい。
早く彼女が欲しいと、俺の全てが叫ぶ。
「手、俺の背中にまわして」
彼女は火照った顔でちらりと俺の方を見て、それからしがみつくように俺の背中に手を回した。
彼女の匂いに包まれて、目眩がする。
「すみません‥‥俺、もう‥‥」
耳元で低く呟いた。
「止められそうに、ないです。綾瀬さん」
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