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薄暗い部屋の中で、茜田先生と視線が絡まる。
「俺、そんなに余裕あるように見えますか?」
「‥‥見えます」
先生はわたしの手をぎゅっと握りしめた。
「ないです、余裕。一秒も待てません」
今日何度目かになる口付け交わした。
先生の舌が、わたしの中に入ってくる。
柔らかくて生温かいそれは、わたしの身体をとろとろに溶かしていく。
ふと離れた唇に、もどかしさを感じて目を開けた。
「綾瀬さん、ちょっと、頼みたいことがあるんですけど」
茜田先生はわたしの目を見て、改まってそう言った。
「‥‥えっ、何ですか」
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