story 24

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目の前の卓上カレンダーを、ゆっくりと捲った。 1月があっという間に過ぎていき、2月になった。 空気はどんどん冷たくなり、寒さのせいで体が思うように動かない。 毛布のような分厚いひざ掛けで足をくるんだわたしは、デスクで一人呆けていた。 「綾瀬さん、郵便ここ置いておきますね」 カウンターの向こうから、受付の女性が声を上げた。 「ありがとうございます」 その声に、わたしはのろのろと腰を浮かせた。 みんな会議や打ち合わせで忙しくて、職場にはわたし以外の人は誰もいなかった。
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