2067人が本棚に入れています
本棚に追加
/472ページ
目の前の卓上カレンダーを、ゆっくりと捲った。
1月があっという間に過ぎていき、2月になった。
空気はどんどん冷たくなり、寒さのせいで体が思うように動かない。
毛布のような分厚いひざ掛けで足をくるんだわたしは、デスクで一人呆けていた。
「綾瀬さん、郵便ここ置いておきますね」
カウンターの向こうから、受付の女性が声を上げた。
「ありがとうございます」
その声に、わたしはのろのろと腰を浮かせた。
みんな会議や打ち合わせで忙しくて、職場にはわたし以外の人は誰もいなかった。
最初のコメントを投稿しよう!