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振り止まない雨の中、心配そうに俺の顔を見つめていた圭介。
いつも面倒くさげに頭を掻きながらも、俺のことを気にかけてくれていた三枝と、作家としての俺をその手でしっかりと引き上げてくれた水元。
熱のこもった瞳で俺を見つめる読者の顔。
そして俺は、ずっと会っていない父の顔を思い浮かべた。
世の中の全てが煩わしく、鬱陶しかったあの頃。
でも今は、どんな出会いも大事にしたいと、素直にそう思える。
初めて会ったあの時、俺の原稿を抱き締めてくれてありがとう、綾瀬さん。
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