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雑誌「薔薇と機関車」のホラー小説新人賞に応募したのは、俺が高校2年生になったばかりのときだった。
元々文章を書くのは好きで、でも文学なんて俺のキャラじゃないし、何となくカッコ悪いような気がしていて。
だから真夜中に密かに、こっそりと、原稿をポストに投函した。
ホラー小説を好んで書く作家なんて、ろくな奴じゃない。
というのは言い過ぎで、もちろん例外もあるというのは分かっているが、心に凶器を忍ばせている奴が多いと思う。
現に俺自身がそうだからだ。
育ちが悪かった俺はどこか欠けていて、ひねくれていたし、自分自身でもぞっとするような事を考えるときが多々あった。
今思えば、青さのせいもあったかもしれないが。
とにかく俺は、色んなものに飢えていた。
そしてその飢えを誤魔化すかのように、ひたすらに文字と向き合っていた。
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