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君もそうだったのか。君に憑いているのは君の双子の姉妹だったのか。
僕はそうと知らず、君に酷い事を言ってしまった。
今考えればもったいなかった。
君みたいに綺麗で優しくて素晴らしい女性はそうはいない。だから不安だったんだ。
僕みたいな取り柄の無い男と付き合ってくれる訳が無いと思っていたのに、仲良くしてくれて、その上彼女になってくれた。
僕の人生で最初で最後のチャンスだったんだろう。
それを自分から捨ててしまうなんて。
君はまだ僕の事を思っていてくれているだろうか。悲しんでいてくれるだろうか。
僕は君に謝りたい。
そして僕の秘密の能力の事を打ち明けたい。
そしてもう一度やり直したい。
「……久し振り……」
君の驚いた顔も素敵だ。
「この前は悪い事をしてしまった。ごめん。もう一度、やり直したいんだ」
「……いまさら、何言ってるの?」
当然だ。すぐに許して貰えるなんて思っていない。
「実は僕、幽霊が視えるんだ。君に赤ちゃんが憑いているのを視て誤解してしまったんだ。悪かった。許して欲しい」
僕は深々と頭を下げ、心から謝罪した。
「何それ? キモイ! 近寄らないでよ。さよなら!」
君に抱きついている赤ちゃんが、「バイバイ」と手を振っているのが視えた。
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