SIDE 瑞希

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店の方に来ると高砂さんはもういなくて叶が一人でまだ顔を赤らめていた。 何か、ムカつく。 さすがに恋愛小説家の俺だから何で叶の顔が赤いのか直ぐに察しがつく。 叶の側に行くと 「なぁ、あんたの好きなヤツって高砂さんなの?」 わっ、俺、何でド直球投げてんだよ。 マジかよ…これはいくらなんでもストレートすぎるだろが。 無意識に自分で吐いた言葉に驚く。 案の定、「えっ…」って言ったきり、叶は黙ったままだ。 そりゃそうだろ。 いきなりだもんな…俺自身も引いてるわ。 それでも叶の赤くなった顔を見ていると益々イライラしてくる。 「あんたの顔に書いてる。」 とさらに意地悪く言う俺。 オイオイ、近頃の小学生でも言わねぇだろが、こんなガキくさい事。 いい年して、何言ってんだよ俺は。 しかも小説家として語彙力無さ過ぎて自信なくすわ。 はぁ… 俺が自己嫌悪に陥ってると 「そ、そんな事…ありません。」 叶はそう言ったきり俯いてしまった。
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