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今日もって言うか、ずっとなんだけど相変わらず暇な時間を過ごしていた。
冷やかしの様な書き込みはあるものの正式な相談所への依頼もなく、私はもっぱら古本屋の店番をするばかり。
ふと書斎の方に目がいってしまう……
瑞希さん…この前、私は瑞希さんに強く抱きしめられた。
その感触はまだ私の体に残っていて…いくら小説のネタとは言え、あんな風に抱きしめられると勘違いしちゃいそうだよ。
だって、私は瑞希さんが…
「はぁ…」
一人ため息をつく。
「何です?その締まりのない顔は。」
げっ、一人じゃなかったんだ。
今日はサイボーグ高砂もいたんだっけ?
「何だか、暇だなぁと思って。」
この前、 高砂さんの笑顔を見て以来、高砂さんに対して怖さが少しだけ消えたというかビミョーに距離が縮まったかなって気がするんだよね。
ほんの少しだけどね。
まぁ、ここに来ると大抵、高砂さんと一緒にいるから慣れて当然か。それにね…
「暇と言うのなら自分で仕事を探しなさい。いくらでもあるはずですよ。先生がいかにお仕事をしやすくなるかを考えれば自ずとでてくるでしょう。それに、相変わらずコーヒーの入れ方が実に下手だ。何度教えたら君と言う人間は全く……」
うっ、余計な事をいうんじゃなかった。
こんな調子なのであがるよりもこの場をなんとかしなきゃとそっちに気がいく。
だって、エンドレスでお小言とかキツイもん……
な、なんか話題を変えなくては……
話題、話題…
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