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「高砂さんって彼女とかいないんですか?」
咄嗟にでたのがこれかぁ。
でも、まぁ、いっか。
さほど深い意味はなく取り敢えず聞いてみた。
「なっ、何ですか?いきなり。あなたに私のプライベートをお話する必要ありません。」
あっ、ちょっと耳赤くなってる。
高砂さんて仕事以外になると案外人間っぽいとこあるんだよね。
って人間だし、高砂さん。
「高砂さんの彼女さんはきっとなんでもできちゃう人なんだろうなと思って。きっとコーヒーだってめちゃくちゃ上手に入れるんですよねぇ。」
赤くなった高砂さんの顔を見た途端、急に強気の神様が私の元へと舞い降りた。
「彼女なんていませんよ。第一、何でも出来る人を私は好きになったりしませんから。」
といつになく早口で言う高砂さん。
「好きになったりって……どうしてですか?」
「どうしてって、そりゃ、面白くないでしょう?私の性格上あなたみたいに少々抜けている女性の方がいじめがいがあって私としては構いたくなりますね。」
なるほど。要はドSって訳か…
って言うかあなたみたいって…
何か私の事が好きみたいに聞こえる?
って、一人ドキドキとしていると
「あなたみたいとは言いましたが、あなたに恋愛感情を抱くなんて百年先にもあり得ませんから。」
マイナス100度くらいの冷たさで全否定された。
ですよねぇ……
だけど、百年先って……相当だな。
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