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ーーーお前の家、なんで他人が一緒に住んでんの?
それは初めてクラスの友達を数人家に招いた次の日の事だった。
鷹野真人は家に遊びに来たその友人達に突然そんな事を言われてしまった。
その言葉に、真人は最初何を言ってるのか分からなくて、逆に「誰の事?」そう聞いた。
友人達はその真人の言葉に驚きと不思議そうな表情を浮かべ、馬鹿にしたように笑いながらある人物の存在を指摘してきた。
ーーー〝マオ〟って男、お前に似てるけど赤の他人なんだろ?
その言葉に真人は驚いた。
それは、真人が幼い頃から一緒にいる父親と同じくらい大切な存在である、鷹野真央について言っていたのだと知ったからだ。
確かに真央とは血は繋がっていない。例え、幼い頃に亡くなった母にそっくりだとしても、兄弟でも従兄弟でもないと父親には言われた。
でも、昔から共に過ごす真人にとって真央は母親のような存在であり、一緒に暮らす事に違和感など無いほど、大切な大切な存在だった。
真人はその言葉に生まれて初めて憤りを感じ、バンッと大きく机を叩いて椅子から立ち上がった。
そんな真人の初めての表情や態度に、真央について言ってきたクラスメイト達は驚いていたが、真央について言葉が止まる事は無かった。
ーーーだって、他人が一緒に住んでるとかありえないじゃん!
そして、言葉の最後に〝キモイ〟そう告げられた。
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