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「かのこはまだ、健太ことが好きだと思う。昨日湊さんも聞いてたよね?健太が帰ったからカラオケ行かないって、もともと二人で行くはずだったのに。まだ2人別れたばかりだから、より戻しちゃうかもしれない。そしたら俺は捨てられる。」
先輩の声が少しだけ泣きそうになっていた。
哲也先輩は本当に好きなんだ。かのこ先輩のこと。
「それは私も昨日思いました。哲也先輩と付き合ってるのに健太先輩ばかり見てるなって」
そのあと、私は哲也先輩が笑ってくれそうなことを考えた。
「でも、それって本当は妬いて欲しいとかじゃないんですか?」」
「そうなのかな?向こうから好きが伝わってこないんだ。告白したのは俺だからなんとも言えないけど…」
「好きが伝わって来ない…。うーん。じゃあここは敢えて賭けに出てみませんか?本当に俺の事好きって聞いてみて、もし、好きじゃないなら別れよう。って言ってみたらどうですか?」
私はサイテーな女だ。
そうして捨てられた先輩を狙おうと少し考えてる。
「もし。それで別れるって言われたら?」
「それは…。すみません。やっぱそれは危険ですね。」
哲也先輩があまりに追い詰められた顔を見せるから、私の悪巧みはやはりするべきではない。
「とりあえずまだ、少しだけ様子見ませんか?先輩は彼女になるべく好きっていうとか?言いすぎると重みがなくなりますが、女の子は誰だって好きって言われたら嬉しいですよ。」
「分かった。そうするよ。ありがとう。聞いてくれて。」
そう言いながら先輩は起き上がった。
私も体を起こしたその時だった。
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