私のだから

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「あ!本当にここにいた。哲也ー!探したよぉ~」 そう言って屋上に入ってきたのはかのこ先輩だった。 そしてその後ろに私が会いたくなかった人がいる。 「かのこ、健太。」 哲也先輩は少し頬を赤らめた。 「もー何してたのぉー?私というものがありながら後輩女子と二人っきりで。こんなところで。」 「かのこ先輩。すみません。」 私は咄嗟にに謝っていた。 「私の哲也だから手出さないでね。沙耶ちゃん。で?二人で何してたの?やましい気持ちがないならちゃんと教えてよー。」 「私が、勉強のことで悩んでたから哲也先輩に聞いてただけです。でも、やっぱりかのこ先輩はいい気しないですよね。すみません。」 私は嘘をついた。そしてこれでもかというほど謝った。 「勉強なら俺が見るよ。」 健太先輩はそう言って、私の方を向いて何か企んでいるような表情を見せる。 「えー。健太が見るの?そんなに二人仲良くなくない?健太が見てあげる義理ないよ。」 「別に俺、もうかのこと付き合ってないし、誰と何しようと関係ないじゃん。」 「やだ!健太が他の女子といるのは嫌だ。」 かのこ先輩はそう言った。 「でも。お前は哲也と付き合ってんだろ?だったら哲也に集中しろよ。」 健太先輩ばかり見るかのこ先輩を見ながら哲也先輩は拳を握って震えていた。 「健太も哲也も私のなの。だから、沙耶ちゃん。手出さないで!」 そんなこと言われても。元から健太先輩には興味ない。 それにしても哲也先輩が可愛そうだ。
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