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「健太先輩。痛いです。」
「黙れ。」
振りほどきたい。けど私の力じゃかなうはずがない。
そのまま健太先輩はカラオケに入る。
「二人で。2時間。おねがいします。」
「ちょっと、先輩。」
「恥ずかしがるなよ沙耶。すみません。彼女照れちゃって。」
いつもは見せない作り笑顔で店員のお姉さんに言う健太先輩。
「彼女さん、可愛いですね。お部屋は403になります。ごゆっくりどうぞ。」
今度は私の手を握り私のことを引いて行く。
「何考えてるんですか?先輩。」
「誰にも邪魔されず。お前と話がしたくてな。」
このまま先輩と密室に二人きりになってもいいのだろうか。
私に一抹の不安を感じた。
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