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「は、話って何ですか?」
「哲也のこと、好きなんだろ?お前。」
突然言われ顔が熱くなるのが分かる。
「分かりやすいやつだな。それでだ。俺とラブラブして。あいつ妬かせんだよ。そしたらお前のこと気になって。好きになってもらえるかもよ?」
「すみませんがそれはできません。」
「どーして?」
「私は哲也先輩が幸せならそれでいいんです。」
「そんなの言ってられるのは今のうちなんだよ。相手が幸せなら?今にもっと欲張りなる。そして、最終的には私のものじゃなきゃ嫌って思うようになるよ。」
「私はそれでも、哲也先輩にいつも見たく笑ってて欲しいんです。」
「ふーん。俺決めたわ。」
私がきょとんとしていると向かい側に座っていた健太先輩はズカズカこちらに向かって歩いて来た。そして座ってる私を見下ろすように見た。
「顔は悪くねぇーな。体型ちょと子供ぽいからこれからに期待って感じだな。」
そう言うと、健太先輩は私の唇に唇を重ねてきた。
漫画で見るような相思相愛の男女がするような甘い甘い物じゃない。
「な、何するんですか。」
「お前が昨日俺とかのこがキスしてるところ見たから罰だよ。」
「え?何のことですか?」
こんなとぼけ方はない。
「とぼけんなよ。言っとくけどかのこはいい女だよ。ま、尻軽なのがたまに傷だけど。」
「健太先輩はかのこ先輩のことが好きなんですよね?」
「いや。別に。もう、好きじゃないけど?」
「でも。昨日…。」
「やっぱり見てたんじゃん。あれには続きがあんだよ。」
ーー「愛してる。健太。」
かのこはそう言った。
「なんてな。もう終わってんだ。俺ら。愛してるわけねぇーじゃん。かのこ、その尻軽は直した方がいいよ。」
「ひどい。どうしよう。私、また、健太のこと好きになっちゃったよぉー。哲也と付き合ってるのに。」
「俺は知らない。勝手にしろ。」ーーー
何て、性格の曲がった人なんだ。
そんな嘘ついて女の子を弄ぶなんて。
やはり私はこの人が怖い。もとい嫌い。
改めてそう感じたのでした。
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