第6章

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 「狭い部屋だけど上がって頂戴」  一日中締めきっている部屋ではあるが、クーラーをかける程の暑さでは無かった。  都会の秋は残暑が長く、今日は天気予報が暫くぶりで当たったみたいである。  窓を開けた途端、秋風が気持ちいいほど顔に触れた。  「雪菜、こっちに来てみて。 秋風が気持ちいいわよ」  テーブルに座っていた2人は立ち上がり窓際に行った。  「わぁ~ ホント! 気持ちいいぃ~ 季節の風を感じる事って私達幸せかもよ」  健二が大きい声で笑い雪菜の頭を突いた。  「妹よ! 詩人だね。 大学の進路を間違えたんじゃないかい?、ん?」  「健二お兄様ったら、意地悪なのよね。 もぉーーイャ」  
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